それに対し――
「ん、王子? どしたの?」
「…………」
王子は下を向き、
顔を隠すように額に右手を当てて、黙っていた。
ヒィィィィ!!
も、ももももしかして、
納得いかない出来だったとか?
数々のアーティストの作品を録ってきたカシワギさんも素直に褒めてくれているのにー!?
「おーい、貴也」
ゆーたも王子の様子が気になったのか、その肩を軽く叩いた。
すると、王子はあたしたちに顔を見せないまま、
軽く鼻水をすすった。
「……っ、何でもねーよ。見るな」
え。
ええええ?
えええええええ!?
「おおお、王子!?」
泣いてるーーーーーーーー!?
これこそ、鬼の目にも涙!(意味ちょっと違うかも)

