「お疲れ様ー。録ったの聞いてみましょうか」
ヘッドフォン越しにカシワギさんの優しい声が聞こえてきた。
どんな感じになったかな?
わくわくしながらあたしは皆のいるスペースへ戻った。
カシワギさんの操作によって、部屋にある大きなアンプから、
今日みんなで録った音源が爆音で流れ出す。
別々に録音したパートが1つになる。
4つの個性が絡み合いながら、勢いを増す。
――わあああああ!
「すごいっ、すごいよ! 感動しちゃった!」
「本当にいいですね……ああ、夢みたいです」
「鳥肌たつわ。やべーよ、マジこれイケてすぎじゃね?」
出来たてほやほやの音源を聞き終えて、
あたしとゆーたと良夫さんの口から、嬉しさや感動の言葉が次々と溢れだす。

