「じゃあ、ボーカルさんよろしく」

「はいっ」


オケとして、これまでに録ったみんなの演奏がヘッドフォンから聞こえてくる。


わー! すごいっ!


改めて聞くと、音がガンガン頭の中に響いてくる。

自分の心臓の音でさえ、曲のビートに合わせて鳴っているように感じるほど。


この曲たちをどこまで届けられるかな。

あたしたちの曲を聞いて、みんな元気になってくれるかな?


……うん、大丈夫!


演奏しているあたしたちがこんなにも楽しんでいるんだから。