「あーあ。こんなんなるまで練習して……」 皮がめくれかけてるあたしの指先に、ゆーたの指が優しく触れてきた。 「本っ当、お前バカだよな!」 「えーひどいっ。あたしもバンドのために必死にやってるのにー」 「まあ、俺バカなやつ好きだし」 ぼんやりとした雲から、星が少し見え隠れしている夜空。 戸建が並ぶ通りは、電気が付いている家の方が少なかった。 そんな中、今のゆーたの言葉が頭の中で繰り返される。 深い意味はないんだろうけど、どういうことなんだろうか。