そこから家までは歩いて10分くらい。 駅前通りを離れるにつれ、あたりは暗くなっていく。 「ねーねー! さっきの彼氏?」 「え? ちがうよ!」 あたしの声がまわりの建物にぶつかり響く。 って、えええええええ!? 話しかけられた声の方向に振り向くと同時に、 車のエンジンらしい爆音にあたしは包まれていた。