「ゆーただって部活やってないし、どーせ暇人でしょ? 宿題くらいする時間たっぷりあるっしょ」


隣の席で、必死であたしの宿題をうつしているゆーたに向かって、あたしは言った。


「あ? 俺は忙しーんだよ。おめーとはちげーよ」


イラッ。


「しゃー終わった! どーもな!」

と言って、ゆーたは宿題のプリントを勢いよくあたしに返した。


「はいはい」

あたしはそれを受取ろうとしたけど、

「ちょ、ゆーた! 何この指先!」

思わずプリントより先にゆーたの左手をつかんでいた。



プリントがゆっくりと、

あたしとゆーたの席の間に落ちる。