「じゃあ、本番もよろしくお願いします」 「しゃーす!」 2、3曲途中まで合わせて、リハーサルが終わった。 「おー今日調子いいかもな!」 王子がニコニコしながら、そう言う。 心地よい緊張感のおかげで、あたしも全力を出せそうだ。 と思っていたが。 「あ、美緒ちゃん!」 その聞き覚えのある声。 ツンツンと先端が無数にとがっている影。 うげ! もう来てたんだ! 後ろを振り向くと、 ニッコリと胡散臭い笑顔をしたツンツンヘア(亮くん)がいた!