スターフィッシュ‼︎

「おー来た来た」


ライブハウスの重い扉を開けると、

ゆーたと良夫さんがカウンターで書類を書きながら待っていた。


「おーお前、ちょっとはマシになったんじゃね?」

「み、美緒さん、変わったっす」


そう2人から言われて、ちょっと照れるあたし。


ちなみにゆーたと良夫さんが書いているその書類は、

楽器やアンプのセッティング、照明や音響の注文を書くシートらしい。


「へーここがライブハウスなんだー」


ぐるっとあたしは中を見渡した。


あまり高くはないけど、照明で彩られたステージ。

学校の教室より少し狭いくらいの、お客さんのスペース。

カクテルのビンがたくさん置いている、ドリンクカウンター。


タバコ臭いのは嫌だけど、何だかワクワクする空間。


他に出演するバンドがマイクやアンプのチェックをしている中、

あたしはこれから始まる初めてのライブに胸を躍らせていた。