ザ――――ッ・・・。

「はぁ…。
 雨の日ってなんか憂鬱だなぁー。」


キ-ンコ―ンカーンコーン

私の名前は、渡木奏未(とき かなみ)。
夢ヶ丘中学2年、女子。
ただいま下校中。



「今日の天気予報では晴れって言ってたのに。
 折りたたみ傘持って来ておいてよかった~。」


ダダダダ―ッ

「?」

後ろから足音が近づいてくる。

バタバタバタッ

「かーなーみー!!」

「!?、美沙??」

「もー!奏未、一人で帰るなんて水くさい事、
 しないの!!」

「あ、ゴメン…。」


「でも、奏未はそういうとこも含めて
 かわいいから許すよ~❤」


「ちょっ、くっつくな!!」


「いいじゃーん、別に❤」


「もぉ!」

この、やたらとスキンシップが激しいこいつは、
野乃原美沙(ののはら みさ)。
一応私の親友。


「奏未、今日うち来ない??」


「遠慮しとく。」


「え、なんでよぉ~!」


「部活で疲れたから。」


「ちぇーっ。」


「……。」


「そういえば、奏未ってホント、
 無口だねー!
 もうちょっとしゃべってもいいのに!」


「・・・ほっといて。」