真は手を離すとわたしの足を落ちないようにしっかり掴む。
“離せ変態”と言える状況ではない事は一目瞭然だ。
“髪を掴む”から“頭に乗せる”に変えたわたしは電気を見つめた。
ち、近い……。
「届くか?」
「ばっちし届きます」
わたしは怖々真の頭から手を離すと、電気の交換作業に取り掛かった。
高い所は本当に怖くて、妙に力が入る。
力の入ったわたしはどうも足で真を締め付けているらしく、その度「足」と怒られた。
交換作業が完了して地面に下ろして貰うと、わたしの足は震えていた。
わたしは今日の教訓を胸に、絶対脚立を買おうと心に誓った。
―――おばあちゃん。
仲良くやってるから安心してね。
わたしの方こそ“ありがとう”。