お化け屋敷の住人



真は何も言わず、いきなりわたしに背中を向けてしゃがんだ。


「なに?」

「乗れ」

「は?」


振り返った真の顔は眉間にシワが寄っていた。

“「は?」だと?”っていう顔してる。

どうも真はバカにされるような口調は嫌いらしい。


「それ持って乗れ」

と顎で代えの蛍光灯を指す。

慌てて蛍光灯を掴むと腕に引っ掛けて真の肩に手を乗せた。


「失礼しまーす」

「おい」


真の首に腕を回しておんぶの態勢をとると、真から不機嫌な声が出る。


「はい?なに?」


真の顔を横から至近距離で覗くと視線だけをわたしに向けて言う。


「違う」

「違う?」

「それじゃ届かねえ」

「はい?」


乗れって言ったのそっちじゃん。

訳分かんない。