お化け屋敷の住人



「……」

…返事が無い。


わたしは“入るな”と言わないと言うことは“入ってもいい”だと解釈して襖を開けた。

布団に入ってマンガを読む真がわたしに視線を向ける。

視線で語られる“何だよ”と。


「一緒に寝てもいい?」


シワを寄せた眉間で語る“何で”と。

“ダメだ”と言わないと言うことは“いいぞ”と解釈して、どう見てもシングルサイズの布団に無理やり潜り込んだ。

うん。狭い。


「おい」


やっと出された声は思った以上に……、

棘を含む。