瞳に溜まる涙が乾くようにまばたきが多くなる。 こういう時は上を向けばいいんだよ。 ほら、世界的に有名な歌の歌詞にもあるでしょ。 涙が零れないようにって。 だから上を向いた。 上を向いたら…。 真が優しく微笑んでた。 「何で堪えてんだよ」 「…だって」 「泣きたい時は泣いたらいい」 「…泣きたく、ない」 「なんで」 「…強く、なりたい」 そう言ったら、フって笑われた。 人の決意を鼻で笑うなんて酷い。 だけど真は今優しくて、頭を撫でる手は凄く心地がいい。 …憎めない。