―――トントン。


夜、21時。

わたしは悩みに悩んだ結果、真の部屋の襖を叩いた。


「誰?」


部屋の中から不機嫌な声がする。

その不機嫌の原因は分かってる。

きっとわたし。

昼間、真の事を避けまくったわたし。

目すら合わせなかったわたし。


「わ、わたし!」


あんな言い逃げして合わせる顔がなかった。

絶対怒ってると思った。

でもご飯の時間は同じテーブルで一緒に食べる。

昨日の夕飯に増して今日は気まずかったな。

まあ、原因作ったのわたしなんだけどね。


「何の用?」


声はするけど目の前の襖は開かない。