「お父さんにはわたしが後で連絡しとくから大丈夫!」
「頼むよ。ちゃんと言っておくんだよ?」
「はーい」
もちろん嘘だけど。
ごめんね。おばあちゃん。
「そうだ!おばあちゃん、庭の桜咲いた?」
「あー、咲いた咲いた。今五分咲きくらいかねー?」
「ほんと!?満開になったら庭でお花見しようよ!」
「庭で?少し出ればもっと沢山咲いてる所があるよ?」
「ううん!庭がいいー!」
おばあちゃんチの庭の隅にある、一本の枝垂れ桜。
わたしあれ結構好き。
ソメイヨシノや山桜もいいけど、わたしはやっぱりおばあちゃんチの枝垂れ桜が1番好きかもしれない。
まあ…、冬の花も葉っぱも何にも無くなった枝だけの姿はホラーだけど…。
「じゃあちょっと見てこよっと!」


