わたしは今下駄箱で人を待っている。

でも来るまでまだ時間は余裕。


早く来すぎちゃったな。

下駄箱なんかで待ち合わせするんじゃなかった。

クラスメートがわたしをちらっと見ては、何も言わずに帰って行く。

はぁー。

このクラスにも慣れたとはいえ、こんなあからさまなシカトは、ちょっと傷つくな。


「おい」


下を俯いているその時だ、頭上からいつもの低くて甘い声が聞こえたのは。


「え?早……」


そこには真がいた。

周りの生徒たちがざわめき始める。


それも無理はない。

三者面談だとわかっていても、こんなに若い保護者はそうそういない。

しかも、真は誰がどう見たって端麗な容姿を持っている。