「すいませーん!」


わたしはいつものように学校に登校した。

それは5月の終わり、春もおわり夏が訪れ始めたそんな頃。


「すいませーん!」


わたしは朝から騒がしい廊下を歩いて教室を目指していた。


「すいませんってば!」


あーもう、うるさい。

誰なのさっきから。

呼んでるんだから応えてあげればいいのに。


「おまえだよ!おまえ!」


そんな声と共に掴まれたのはわたしの腕。


「わたし!?」


この学校にきて担任の先生以外に話し掛けられた事のないわたしは、まさか自分が声を掛けられてるなんて思ってもいなかった。

ビックリして振り向くと――、


「さっきから何回呼んだと思ってんだよ」


――見た事もない男子が3人もいた。