「なぁ〜一希ぃ」
「なんだよ…キモチわりぃな」
グラウンドで果梨と一希が隣合わせでバッティングの練習をしていた
「言いたいことは分かる…茜だろ?」
「うっ…はぁ…。なんか茜の様子変じゃね?」
果梨は茜の様子が変だということに気がついていた
しかし、本人が言って来ないのならば聞かない方がいいと思い、何も聞かなかった
「なんか俺…どうしたらいいんだろ…」
果梨の元気のない声を聞きながら、バッティングの練習に励む
「信じるしかないだろ…」
「えっ!?」
「信じる…俺達にはそれしか出来ないだろ?」
「……そ…だな、そうだよな」
カキーんッ
快音が響く
信じる
一希の言う通りだな…
果梨はグリップを握り直した

