クローバー




風が吹く



「さっ…帰るか…」



ゆっくりと立ち上がる



「ねぇ…」



「ッ!」



誰もいないと思っていたのだが


「み…美羽!?」



そこには、腕を組んでこちらを睨んでいる妹の姿があった



「なんで屋上にいるの?」



「それ、こっちの台詞。あたしは今から自主練」



っと銀色の輝くフルートを向けた



「何時からここに?」



「今さっき…てか、部活は?」



「今日は休んだの」



「はぁッ!!マジで言ってんの?野球馬鹿がッ?」



「馬鹿は何よ馬鹿は…」



「だって家でも野球野球って言ってんのに…頭ぶつけた?」



「失礼なッ。もう…帰りますから」



素早く鞄を手に取って出ていこうとした



が−