臭い…
消毒の匂いがする…
「んっ…」
「あっ…茜気がついたか?」
「あれ…果梨?ここ…」
「病院だよ」
辺りを見渡す
やはり見覚えがあった
あの日の病室だった
「ホント…まぢビビったし…振り向いたら青白い顔して鼻血出してんだからよ…」
「あぁ…ごめんな、果梨…心配かけて…」
「いいって、いいって」
少し頬を朱くして果梨が手をブンブン振った
「それより…ホントに大丈夫なのか?」
「大丈夫だって」
果梨の目の前でVサインをする
「本当だな?それ、信じていいんだな?」
顔をしかめる
言えない…
果梨にだけは知られたくない…