「茜、ほんとにいいのか?野球だぞ?」



お父さんが眉をへの字に寄せてあたしに問い掛ける



「病気と戦うって決めてからもう覚悟してた」



「茜…ごめんね…」



「何言ってんの?病気になったのはお母さんのせいじゃない」



お母さんの肩を優しく摩る



「あたしは大丈夫だから心配しないで」



出来るだけ不安を見せないような笑顔を作った



でも2人の暗い顔は治らない



「でも…」



あたしは暗い顔の2人にお願いをする



「あたし…出来るところまで野球したい」



2人は驚いた顔をした



当たり前だ



さっき野球をしないと言ったばかりなのに野球をすると言っているからだ