あたしは野球が好き



小学生の頃からずっとやってきた



これからもあたしの人生には欠かせないものだと思ってた



だけど…



病気は全てを奪う



分かっていた



でも…



やっぱり



悔しいな…



静かなダイニング
時計の秒針の音が大きく聞こえる



大切なものが出来るたび



失う悲しみが大きくなる



だからあたしは



大切なものは作らない



そう決めた夜



お母さんが肩を震わせながら泣いていた