「私はなんとも…今先生に聞いてきます」
「お願いします」
水野さんは病室を出ていった
水野さんが出ていってからは時計の針の音しか聞こえない
「ねぇ」
あたしは時計の針の音を切り裂くように口を開いた
「何?どうかした?」
「あたしの病気のこと誰にも言わないで。美羽にも果梨にも」
2人の顔を見る
しばらくしてお父さんが口を開く
「分かった。茜がそうして欲しいのなら言わない」
「ホントに?」
「でも、このことはいずれ話さなきゃいけなくなるときが来るってことを忘れるな」
お父さんの真剣な眼差し
「うん。そうだね…その時になったらあたしが自分で言う。それでいい?」

