クローバー




「なんで?なんでお父さんが謝ってんの?」



お父さんも泣いているお母さんも水野さんもあたしに目を向けた



「別に病気になったって言ったって、お父さんやお母さんが何か悪いことしたの?何も悪くないんだよ」



あたしはお父さんからお母さんに目線を移した



「それにねお母さん。あたし、死んでないよ」



お母さんが少し驚いた顔をした



「あたしは死んでないし、病気に負ける気もない。



あたしは死なない」



窓に目をやると、空へと羽ばたく小鳥が見えた



「だから泣かなくてもいいよ」



「茜…ありがとう」



お母さんが涙を拭う



「お母さんがしっかりしなきゃいけないのにね」



そう言うと立ち上がった



「美弥子…大丈夫か?」