「あのね…無理して笑顔作んなくていいよ」



「茜…何言ってるの?無理なんか…」



「あたし、知ってるから。全部知ってるから」



「茜いい加減にしなさい。あんた…からかってたの…」



「白血病」



「へ…」
「あ…」



「ガン…なんでしょ?」



「そんな訳ないじゃないか」



お父さんの慌てている顔



「そうよ。あなたはただの体調不良」



「さっき…あたしも目が覚めて…診察室に入ってはないけど…ドアのすき間から…聞こえた」



2人の目が点になる



「嘘だと思うならそこにいる看護師さんに聞いて」



「看護師の水野です」



水野さんが浅く頭を下げた