頬をつねってもつねっても痛いだけ



どうして…?



強く野球帽子を握る



気付かないうちに帽子を持ってきていた



あたしが野球部に入学してからずっとかぶり続けてきた愛用の帽子



膝の力が急に抜けて、その場で崩れ落ちた



「…あたし死ぬのかな…」



暗く薄暗い廊下、床の冷たさがあたしをますます孤独にさせるようであった



この宣告を受けたのは夏の暑さが残る



そう、秋の始め頃だった−