でも…



病気は着々と進行し、お姉ちゃんを蝕んでいっていた



星光が4回戦を突破した頃には



外出が出来なくなって



ビデオでの鑑賞が主になった



「美羽?どうしたの?」



「はい」と渡されたのは、今までの記録を書き込んだスコアブック



「無理して書かなくてもいいって矢田先生、言ってたよね?」



さらに細くなってしまったお姉ちゃんの手を握った



この状態までくれば、誰にだって良くないのだと分かる



颯斗に病名を告げたのは、3日前



颯斗は信じられないような顔をして泣いていた