クローバー




お母さんがゆっくりと顔を上げた



「笑って、お母さん」



「わら…う?」



「そう、笑ってよ。お母さんは笑っていて。それがあたしの元気の源だから」



「茜…」



「だぁかぁらぁ〜、泣くなって今言ったじゃん。笑ってってね?」



「そう…そうよね。茜がそう言うんだから笑わなきゃね」



お母さんが涙を拭う



「そうだよ。それにあたしは病気になんて負けないよ。信じて」



お母さんの目を見つめる



「そうね、娘のコトバを信じなきゃね…」



お母さんが笑う



今にも崩れてしまいそうな笑顔だった



だけど



確かな温かさがあった