「体力の限界って…今までやって来ただろうがッ」



さっきよりも強く握られる



「何でだよ…何で…」



たぶん果梨は涙をこらえているのだろう



「だから…女が男の体力に勝てる訳がなかったん…」



「俺たちの誰よりも甲子園を目指していたお前が、負けず嫌いのお前が、女であっても選手としてこだわるお前が、そう簡単に辞める訳ないだろッ!」



果梨の言葉が胸に突き刺さる



「理由…何だ?俺か?ボールぶつけたからか?」



「理由…言えばいいの?」



「出来れば」



本当は果梨の顔を見て話さなきゃいけないんだと思う



けど…



今の顔は見られたくない