こんなに好きなのにっ!!

コンビニ弁当を食った後はテレビ。



去年公開された映画が早くもテレビでやっていて。



ふたりで話しながら見た。



「風呂入ろうか」

「うん。なんか着るもの借りてもいい?」

「じゃあまず部屋行こ」



部屋へ行って琴里に貸す服を探した。



スエットでいいか…?



「これ履く?」

「うん、何でもいいよ」

「あっ…やっぱコレダメ」

「ん?」



ユナが部屋に来る度に引っ張り出して履いてたヤツだから…。



それを琴里に貸すのは…なんかヤダ。



「悠都君?どうかした?」

「こっちのセットアップの方が小さいからこっち」

「ありがと!!」



黒のベロア生地のセットアップを手渡した。



それを嬉しそうに抱え、先にシャワーを浴びに行った琴里。



出したスエットを見て反省…。



俺の中でユナはまだ『特別』なんだと実感してしまった…。



それほどユナの存在はデカくて、当たり前の日常の当たり前の存在だったのか…。