朝のワイドショーを賑わす芸能人のスキャンダル。



非道な事件の後は感動的なニュース。



全く頭に入らない…。



テレビを消して部屋に戻った。



ギター片手にベッドの上。



無心で弾いてみたら多少気持ちは晴れた。



「朝っぱらからうるせぇぞ…」

「もうすぐ昼だっつーの」

「腹減った…」



やっと起きた自由型人間の風都は目を擦りながらリビングへ。



勝手にやってくれ。



またギターに手をかけ、しばらく弾いてみる。



「俺夕方から出るから。マジ帰んない」

「好きにしろ」

「悠都って健全な男子校生?女のひとりやふたり呼べば?」

「お前は盛りすぎなんじゃねぇの?ちゃんと彼女いるんで心配には及ばねぇよ」

「そ…。だから最近ユナが来ないわけか」



違う。



ユナのことと彼女のことは別だ。



風都は知らないこと。



彼女のことを好きかと聞かれれば、即答できる。



答えはNOだから。