久しぶりにバイトが休みで、向かったユナの家では昼飯を食い終わったとこだった。



ユナは本当に料理だけは得意だ。



「夢!?う~ん…よくわからない。お菓子づくりとか勉強してみたいけど」

「特技を生かせんならいいよな」

「悠ちゃんだってなんでもできるじゃん」

「逆に言えば全部中途半端にカジった程度」

「そうかな~?」



ユナみたいに『コレ』って思えるもんもない。



夕方、家に帰って帰りが早かった親父に相談した。



「なるようにしかなんねぇ人生だったからな~。今は店も出せて、一応夢は叶った気はするけど」

「他にやりたいことなかったの?」

「他?俺には選択肢なんかなかったから。お前食わせんのに必死だった」



そうか…。



親父みたいな人生もあるのか…。



なるようにしかなんねぇ人生…。



少しだけ気が楽になったかもしれない。



好きなことを仕事にできるなんて、本当に一握りなんだと思う。



流星だって、今後どうなるかなんてわからないんだ。