こんなに好きなのにっ!!

なにも言えなくなって俯いてしまった。



「知らない人にはなってほしくないんだよ」

「知らない…?」

「ユナの父親じゃなくて、近所のオジサンでいてくれないかな?」

「ははっ!!寂しいの?」

「そうかもね」



エレベーターを降りて一緒に歩き出した。



相変わらず爽やかで人当たりのいいオジサン。



朝の光りが似合う人…。



「オジサンもまさかコンビニ?」

「食パン買ってこいって」

「俺、牛乳」

「主婦ってのは人使いが荒い生き物なのかな?」



オジサンは俺が好きなオジサンのままだ。



一緒にコンビニで買い物をして、帰り道も一緒。



「ユナのこと、大事にしてくれなきゃ許さないからね」

「もちろん!!」

「悠都君なら泣かせるようなことはしないだろうけど」

「努力します…」

「これからもよろしく」

「うん」



昨日はごめんねと言われ、なにも言わず首を振った。



理解もあるし、真面目な人。



いつかユナを奪ってしまうから。



覚悟しといてね、オジサン。