こんなに好きなのにっ!!

あんなに一緒にいたのに急に別れるなんて、何かがあったとしか思えない。



「どう…して?」

「俺が最低のバカだから」

「フられたの?」

「違う、フった…」

「好きなんでしょ?琴里さんのこと…」



全然意味がわからない!!



こっちを見ない悠ちゃんと、焦るあたし。



なんて声をかけてあげたらいいのかわからない。



「好きなら別れねぇよ」

「じゃあ…なんで?」

「ユナが好きだから。琴里じゃなく、ユナが好きだから別れた」

「あたっ…し!?」

「そういうこと。今言わなきゃ…同じことの繰り返しになりそうだったから伝えた」

「なんて言えばいいの!?」

「返事求めてるわけじゃねぇから何も言わなくていい。俺が言いたかったから言っただけ」

「あのっ…あたしもリオ君と…別れました…」

「知ってる」



悠ちゃんが好きだから。



そう言おうとした。



振り返った悠ちゃんの大きな手に口を塞がれて声を出せない。