こんなに好きなのにっ!!

【ユナ】



リオ君と別れて2週間。



肩にカバンをかけ、左手にペットボトルが詰まったゴミ袋。



「行ってきます!!」

「行ってらっしゃい!!気をつけてね~」



右手で玄関を開け、左足から踏み出した。



完全に部屋を出る前に目に飛び込んできたのは…。



ペットボトルが入ったゴミ袋を持つ悠チャンの姿。



「「あっ…」」

「おは…ょぅ…」

「ん、おはよ」



なんとも気まずい朝。



キス事件以来、まともに顔を合わせていなかった悠ちゃんと無言の密室エレベーター。



これは気まずさを通り越し、拷問に近い。



長い指が押した1階のボタン。



ドアが閉まり、さらに息苦しくなった。



なにか言葉を探すけど、突然のことで頭が回らない。



そんなあたしに背を向けながら悠ちゃんはこう言った。



「俺、琴里と別れた」



一回じゃ意味がわからなくて頭の中で悠ちゃんの言葉を復唱。



琴里と別れた…?



じゃあ失恋したってこと?