リオ君の顔は本当に辛そうで…。



「それで…気が済むならっ…」



そう言って覚悟を決めた。



眉間に寄ったシワが物語るあたしの非道さ。



あたしが悪いから仕方がないんだ…。



「最悪…」

「ごめんなさい…」

「違う、泣かせたくない…。ごめん、ユナ…」



優しく抱きしめられて戸惑った。



リオ君が泣きそうだ…。



「好き…ユナが好き…」

「ごめん…」

「いいよ、もう…。もういい…」



しばらく何も言わずに抱きしめられていた。



リオ君を傷つけてまで前に進もうとするあたしは間違ってるのかな?



「たぶんしばらく吹っ切れない」

「うん…」

「話しかけたりしねぇから。ユナも俺のことシカトして」

「そんな…」

「俺のために」

「わかっ…た…」



今までリオ君の部屋においてあったパジャマと雑誌をバッグに詰めた。



わかってくれてありがとう、リオ君…。



「少しは好きだった?」

「ううん、大好きだった」

「ははっ!!救われた。じゃ、バイバイ…」



バイバイ、リオ君…。