こんなに好きなのにっ!!

こんなに取り乱してる琴里を見るのも初めてだった。



そんなに泣いて…俺なんかのなにがいいんだよ…。



「悠都がいなきゃっ…死んじゃうっ…」

「そんな…」

「ハァハァハァ…」

「琴里…?大丈夫か!?」



過呼吸だった。



苦しそうに胸を押さえたまま荒い呼吸。



「どうすりゃいい!?琴里!!」



必死に指さしたのはコンビニで買ってきたジュース。



飲み物!?



袋からペットボトルを出すと首を振って否定。



「こっちか!?」



コンビニでもらった小さなレジ袋を渡すと口に宛てて呼吸を整え始めた。



焦った…。



落ち着くまで琴里の背中をさすり、つい口から出たのは『別れるなんてもう言わねぇから』というなんの根拠もない言葉だった。



口は災いのもと。



切り出した別れは一瞬でないものになった。



抱きしめた琴里は俺の制服に顔を埋め、ひたすら泣いていた…。



琴里に対して情はある。



情があるんだ…。