顔は平然としながらも、心は落ち着かない。そんなみなもへクリスタが顔を向けた。
「貴方がみなもさんね? 初めまして、クリスタと申します」
クリスタは柔らかく微笑み、白く可憐な手を差し出してくる。
さっき見せた刺々しさは、まったく感じられない。その落差がむしろ胡散臭く思えてしまう。
みなもは警戒しながらも、何食わぬ顔で握手を交わす。
スッ、と素早くクリスタは瞳を左右に動かすと、一歩こちらへ近づいた。
「レオニードさんの命を助けてくれて、本当にありがとうございます。ここへ無事に戻ってきてくれるか、ずっと心配していたんです。でも……」
クリスタが睫毛を伏せ、周囲に聞こえぬよう小さな声で呟いた。
「……まさか、あの人の隣を奪われるとは思わなかったわ」
彼女の空気が一気に冷える。明らかに歓迎されていないどころか、むしろ憎まれている。
考えなくても理由は察しがつく。
クリスタはレオニードのことを想い続けていたのだろう。
そんな彼の隣を余所者に取られた上に、その相手が男なのだから、怒りや悔しさが何倍にも膨らんで当然だ。
まともに相手をするのは面倒だ。
どう対処しようかと考えるみなもへ、クリスタは挑発的な眼差して顔を覗き込んでくる
「貴方がみなもさんね? 初めまして、クリスタと申します」
クリスタは柔らかく微笑み、白く可憐な手を差し出してくる。
さっき見せた刺々しさは、まったく感じられない。その落差がむしろ胡散臭く思えてしまう。
みなもは警戒しながらも、何食わぬ顔で握手を交わす。
スッ、と素早くクリスタは瞳を左右に動かすと、一歩こちらへ近づいた。
「レオニードさんの命を助けてくれて、本当にありがとうございます。ここへ無事に戻ってきてくれるか、ずっと心配していたんです。でも……」
クリスタが睫毛を伏せ、周囲に聞こえぬよう小さな声で呟いた。
「……まさか、あの人の隣を奪われるとは思わなかったわ」
彼女の空気が一気に冷える。明らかに歓迎されていないどころか、むしろ憎まれている。
考えなくても理由は察しがつく。
クリスタはレオニードのことを想い続けていたのだろう。
そんな彼の隣を余所者に取られた上に、その相手が男なのだから、怒りや悔しさが何倍にも膨らんで当然だ。
まともに相手をするのは面倒だ。
どう対処しようかと考えるみなもへ、クリスタは挑発的な眼差して顔を覗き込んでくる


