頭を抱えたまま、みなもは「ねえ、レオニード」と呼びかける。
「これ、正式な王様の命令なんだよね?」
「……ああ、そうだ」
「つまり単に嫌だからっていう理由じゃあ、断れないってことだよね?」
「よほどの理由がない限り断れない。マクシム様のことだ、断ったとしても罰を与えるような方ではないが……」
独り言のようにレオニードが答える。彼も未だに困惑が治まっていないことが、ひしひしと伝わってくる。
でも、きっと断るという考えはレオニードにはないだろう。
いくら兵士を辞めたとはいえ、命令を拒んで王の面目を潰ぶしたくないことぐらい、言われなくても分かる。
あくまで女装するだけ。そう割り切れば耐えられる……と思う。
みなもはやおらと頭を上げると、大きく息をついて軽く拳を握った。
「マクシム様の勅命なら仕方ない。すごく不本意だけど、頑張って女装してみせるよ」
やるからには女神になりきって、役目を果たしてみせよう。
そう意気込むみなもの耳へ、「……君のは女装とは言わないだろう」というレオニードのつっこみと、「うん、同感」というボリスの声が聞こえてきた。
「これ、正式な王様の命令なんだよね?」
「……ああ、そうだ」
「つまり単に嫌だからっていう理由じゃあ、断れないってことだよね?」
「よほどの理由がない限り断れない。マクシム様のことだ、断ったとしても罰を与えるような方ではないが……」
独り言のようにレオニードが答える。彼も未だに困惑が治まっていないことが、ひしひしと伝わってくる。
でも、きっと断るという考えはレオニードにはないだろう。
いくら兵士を辞めたとはいえ、命令を拒んで王の面目を潰ぶしたくないことぐらい、言われなくても分かる。
あくまで女装するだけ。そう割り切れば耐えられる……と思う。
みなもはやおらと頭を上げると、大きく息をついて軽く拳を握った。
「マクシム様の勅命なら仕方ない。すごく不本意だけど、頑張って女装してみせるよ」
やるからには女神になりきって、役目を果たしてみせよう。
そう意気込むみなもの耳へ、「……君のは女装とは言わないだろう」というレオニードのつっこみと、「うん、同感」というボリスの声が聞こえてきた。


