「フフ……気にしないでゆっくりして下さい」
そう言ってみなもは台所へ行くと、新しいコップを出して茶を注ぎ込む。
少し遅れてレオニードとボリスが食卓へ移動し、椅子を引く音がした。
みなもはボリスの前にコップを置いてから、レオニードの隣へ座る。
一口飲んで喉を潤すと、ボリスはおもむろに懐から一通の手紙を取り出した。
「これ、マクシム様からの手紙。内容が内容だから、確実にレオニードへ届けてくれって言われたんだ。あと、すぐに返事を貰って来いってさ」
レオニードは腕を伸ばして手紙を受け取り、真剣な目で封を見つめる。
厚手の紙で作られた封は、周りに金色でツタと鳥の模様が描かれており、中央には竜の横顔をかたどった紋章が刻印されていた。
ごくり、とレオニードの喉が鳴った。
「これは勅命を正式に下すための物じゃないか。もう退役したというのに、一体なぜ?」
戸惑いを滲ませながら、レオニードはテーブルの隅にあったペーパーナイフを手にして、慎重に封を開けた。
手紙を取り出して広げると、押し黙ったまま中身を読んでいく。
二枚目に差しかかった時――レオニードが急にうなだれ、テーブルへ肘をついて頭を抱えた。
「……ボリス、この手紙は本当にマクシム様が?」
「うん。マクシム様に呼ばれて直に受け取ったよ。正真正銘、王様の勅命だ」
そう言ってみなもは台所へ行くと、新しいコップを出して茶を注ぎ込む。
少し遅れてレオニードとボリスが食卓へ移動し、椅子を引く音がした。
みなもはボリスの前にコップを置いてから、レオニードの隣へ座る。
一口飲んで喉を潤すと、ボリスはおもむろに懐から一通の手紙を取り出した。
「これ、マクシム様からの手紙。内容が内容だから、確実にレオニードへ届けてくれって言われたんだ。あと、すぐに返事を貰って来いってさ」
レオニードは腕を伸ばして手紙を受け取り、真剣な目で封を見つめる。
厚手の紙で作られた封は、周りに金色でツタと鳥の模様が描かれており、中央には竜の横顔をかたどった紋章が刻印されていた。
ごくり、とレオニードの喉が鳴った。
「これは勅命を正式に下すための物じゃないか。もう退役したというのに、一体なぜ?」
戸惑いを滲ませながら、レオニードはテーブルの隅にあったペーパーナイフを手にして、慎重に封を開けた。
手紙を取り出して広げると、押し黙ったまま中身を読んでいく。
二枚目に差しかかった時――レオニードが急にうなだれ、テーブルへ肘をついて頭を抱えた。
「……ボリス、この手紙は本当にマクシム様が?」
「うん。マクシム様に呼ばれて直に受け取ったよ。正真正銘、王様の勅命だ」


