「これで、なんとか。

かな子。」


良かった。

まだ、どうなるか解らないけど、俺のやったことは正しいよな?


「うらぁぁぁあ!」

ガンッ、

「グアッ、」

頭に激痛!?

あいつ、目を覚ましたのか?


木材?

一体、どこから?


「うらぁぁぁあ!」

後ろからならダメだが、正面からなら、


…ダメだ。

避けたらかな子に当たる。

腕でガードする。

ガンッ、

クソッ!

いてぇ。

ガンッ、

「死ね!」

大振り?

「うらぁぁぁあ!」

「ざけんじゃねぇ!」



俺は思いきり拳をめり込ませた。
久々に全力で人を殴った。


頭は、血が出てる。

確か、頭は衝撃を受けた時は出血してる方が安全なんだっけ。

脳内出血の可能性が低くなるんだよな。



救急車の音が聞こえる。


不思議だな。

普段は五月蝿い救急車が、

今は、最高に期待していた音楽だなんてな。

意識が遠くなりそうだ。

救急退院がかな子を救急車に乗せてる。

「大丈夫ですか?」

俺は平気だ。


…声がうまくでないな。

ジェスチャーで理解しろよ。


「どうしました?

あの患者がどうかしましたか?」

「…た、頼む。

俺は、平気…だ。」