ここの居酒屋は、個室がほとんど。 カウンター席は5つしかない。 バイトが終わって、裏口から居酒屋を出ると、電信柱にもたれる、 男が目に入った。 「…アキくん?」 どうして声をかけたのかは、自分でも分からない…。 「おぉ!すぅちゃん!お疲れ」 「何してんの?」 「待ってた♪」 「…は?」 「夜道、一人危ないっしょ?だから、待ってた♪」 「全然大丈夫やし…」 あたしの家、バレるやん。 いや、隠してるわけちゃうけど…一人暮らしってことは極力、知られたくない。