「そう言えば…」 礼司さん…親父が言った。 「表にあるバイク、カッコいいですね。あれは、杞陽さんの?」 コハル 杞陽とは、母の名前。 「あ、あれは…」 母はチラリと私を見た。 だから、目で訴えた。 「はい。私のです」 「そうですか」 母と親父は私たちを促した。 「「子供はどこかに行ってらっしゃい」」 「朔鵺の部屋に入れたら?」 母さん、は?何言ってんの? でも母さんには勝てない。 だから、 『こっちです』 案内してあげた。