数学準備室。


バンッとドアを開けて、中に入る。


「おっ、今日は逃げずに来たか」


「だってさとるの教え方本当上手いんだもん!」


今日は補習二日目。


私はさとるの隣にあったパイプ椅子に座る。


「…その言葉嬉しいんだけど?」


いきなり、言葉のペースがゆっくりになったから、少し戸惑ったけど、


「本当のことだよ?」


そう言ってニコッと笑って見せた。


すると、さとるはがらりと真剣な表情にかえて。


「その笑顔反則」


「は?」


「やばいくらい可愛いからやめろ」