*2日目の朝*

「め〜い♪」

あ゛ぁ〜
最悪な目覚めだ。

まさか、夢汰に起こされるなんて。

「ん〜?なに?」

「あははッ!萌依、目あいてないぞ!カワイッ!」


ドキッ

あたしはまたときめいた。

みなさん、お気付きの通りあたしは夢汰のことが好きだ。昨日、抱かれた時から…。


「あのさ、今日ダチのとこに遊びにいくんやけど、萌依もくるか?もちろん女もおるから大丈夫!」

ズキッ

あたしの心は針が刺さったみたいに痛くなった。

何傷付いてんだろ…あたし。
夢汰は顔だっていいんだし、モテるに決まってるよね。


「んー、行く!
その代わり、チャリ漕ぐのめんどいから2人乗りね〜」


「おぅ!まかせとけ」


そう言ってあたしたちは田舎の田んぼ道を走っている。

なにもない田舎…。
あるのは、あたしたち2人の陰と、草の匂いと、ペダルを漕ぐ音だけ。


「雛見沢村ってさぁ、本当に田舎だよね〜。でも、とってもいいトコ!」


「だろ!萌依さ、
俺んちに嫁にくればここで一生、気楽に過ごせるぞ。」


しばらく沈黙がながれた。
古くさびれたペダルだけがあたしの答えを話しているようだった。

そして下り坂を走っている時、あたしは言った、

「ばぁ〜か!」

と。