狼少女と王子様





私は、言って欲しかった。

分かるよって、私も同じだよって。



自分だけ孤独なんだと

この重りみたいな心を抱えているのは私しかいない

なんて、怖かった。


真実も認めてしまえば壊れてしまう。

私がしてきた全てが。


怖かった、無になる事が。



私は上を見つめたまま、二筋の水を流した。



「ありがと、汐里。

私、怖かったんだ。

誰も私の気持ちを本当に分かる人がいなくて、このまま沈んでいくのがさ。」



汐里はいきなり立ち、笑って走りだした。


私も無意識に立ち上がる 。




「大丈夫。茜ちゃんなら。だって私は茜ちゃんの気持ちが分かるんだもん。」


私に振り返って大きく手を振って、病院に入っていった。



私は自分にため息をつき、病室に足を向ける。


私は昔しか見てなかった。


渓や海、水城くんに凛。

この四人さえ、過去がどうだから私はこうだ。


過去で決めつけてる。



私が昔、朱里にされたあの出来事みたいに。

その人の過去で全て決めつけて、今なんて見もしなかった。



ごめんね。ありがと。