狼少女と王子様




「私は、茜。

私も事故にあって、母を亡くした。

妹は行方不明だったけど見つかった。」



汐里は私を知っているかのように、目を瞑って私の話しを聞いていた。


私は空を見上げてため息をこぼす。

空を切っていく視線は昔しか見ていなかった。



私は気がついた。



私、昔しか見てない。


「茜ちゃん。

私は幸せだよ。
両親はいないけど、妹がいて新しい家族もいる。
今を生きていくの。

私、茜ちゃんの事忘れたくないの。
両親みたいに心の奥にしまいたくない。


せっかく、会えたのに。

私の事を分かってくれそうな人に。」



あぁ、そっか。

私、分かって欲しかったんだ。


誰か同じような境遇の人にこの気持ちを言って欲しかったんだ。


理解なんて、他人にして欲しくない。


だって、分からないじゃない。



この気持ちは、他人には。