狼少女と王子様



〜茜side〜



私は病室を急いで出て
彼女の元に向かう



彼女は飛び降りようとしていた私に声をかけてきた


「お姉ちゃん!風船取って!


取らないなら人呼ぶよ〜。」



ちょっとした脅しがかかり、私の頭に凛が
通り過ぎる


反射的に逆らわない方がいいと思った



私は渋々木に絡まった風船を取ろうとしたら

三人の馬鹿がやらかしてくれた。




だから、謝りに行けないといけない

勿論本能的にそう感じたから。




彼女は風船が絡まっていた木の下のベンチに座っている。



私は隣に座り、謝ろうとした瞬間彼女が話し始めた。



「風船ならいいよ。
まだ沢山ある。

でも、お姉ちゃんの命は一つしかない。」



彼女はまだ小学生低学年程度。


そんな子に言われたって説得力なんてありゃしない



私は彼女を冷めた目で見る。


あなたに何が分かるの?

私の何が。



彼女はそんな私を柔らかな瞳で映す。


「お姉ちゃんの名前は?

私、汐里(しおり)

私、事故にあって病院にいるの。
両親は私と妹を庇って死んじゃった。」




しおり・・・。

事故。妹。両親。


その名前に、私と同じ境遇に胸が疼き


心が少し揺れる。