「茜!」


茜は窓に足をかけて飛び降りようとしていた


俺らは走って茜の体を窓から離そうとする



茜は俺らに逆らうように
窓にしがみついて

動こうとしない



「離せよ!」


「離すかよっ。」



状況が飲み込めていない俺らは焦って三人がかりでかかる




三人の力には流石に勝てなかったのか

茜は床に尻餅をつく



そりゃもう思いっきり睨まれました




「お前らのせいで飛んでちゃったじゃないかよ。

どうしてくれる!」


「飛んでいった?」



俺はすぐに窓に駆け寄り空を見ると、赤い風船がふわふわと飛んでいる



まさか、茜はあの風船を取ろうと窓から身を乗り出したのか?



てことは、俺らの早とちり?



俺は安心したのとあまりにベタで気が抜けて


へなへなと崩れていく



「風船かよっ。はぁ、焦った。」


「風船!?」



海と薫は信じられないという顔で茜を見る