「かみねぇが何の用?」


私はかみねぇから視線を逸らした。




私はあれが事実なんて、真実なんて信じない。

もう、誰の言葉も信じたくない



「茜ちゃん、聞いて。

信じるかは茜ちゃん次第。
だけどね、これが本当の事なの。

もうね、戻らないの。ねぇ、分かって。

お姉ちゃんは私達に自由をくれたの。

もし、お姉ちゃんがあの男を拒否していたら、
私達全員ここに居なかったかもしれない。


そのせいでお姉ちゃんは死んじゃったけど、私達には今があるの。

誰も信じないで生きるなんて無理なんだよ?
心を殺したっていいことなんかない。


茜ちゃん、ねぇ私の目見て。

悲しいのは茜ちゃんだけじゃないの。
私達も辛いの。


ごめんね、止められなくて。
私がお姉ちゃんを止めれば良かったのに、そしたら茜ちゃんを孤独になんてさせなかったのにね。

ごめんね、ごめんね。」



背中から聞こえる涙声、私に語りかけるかみねぇ。